「Designed in Japan」で世界中を動かす — 設計開発の現場からはじまる製造業DX
大企業と町工場、両方の製造業を見てきた
当社代表の松本栄祐氏は、前職の空調機器メーカー・ダイキン工業で、業務用エアコンの設計開発に従事していました。一方で実家は、Tシャツのオーダープリントを手掛ける製造業。大企業から小さな町工場まで、製造業の両極を肌で知る人物です。日本中・世界中を巡ってきた松本氏は、「日本が大好きで、日本を良くしたい」との思いから2021年に起業。いくつかの事業を経て、自身の原点である製造業の設計開発領域へと行き着きました。
設計者時代の「なぜこんな無駄ばかりなのか」
製造業の設計開発は、品質とコストの約8割を決めると言われる最重要の上流工程です。ところが実際は業務内訳の7割近くが本来の設計ではない付帯業務に費やされています。「設計はもっとクリエイティブな仕事だと思っていたのに、なぜこんな無駄な業務ばかりなのか」——松本氏が現場で抱いた疑問が、事業の出発点です。
過去の製品情報や不具合事例を探すことに膨大な時間が取られ、社内で同じ検討やミスが繰り返される。結果として開発リードタイムが伸び、市場投下の遅れが売上の機会損失につながります。技術やノウハウそのものが失われていくことも大きなリスクです。根本にあるのは、データが宝の山でありながら活かしきれていないこと。とりわけ「なぜこの寸法なのか、なぜこの材質なのか」という設計思想が、そもそも記録に残されていないと松本氏は指摘します。
AIシステム「ラクション」
主力プロダクト「ラクション」は、社内データを連携し、AIがファイルの中身を自動で読み取ってタグ付け・紐付けを行うところから始まります。整理されたデータを土台に、情報収集から仕様・条件の検討、成果物ドキュメントの出力とレビューまでを自動化。同時に、設計時の根拠や思考過程といった暗黙知をAIが自動記録し、データベースへ還元していく点が最大の特徴です。


初期費用は0円、既存システムをリプレイスせず後付け連携で導入できます。個別のAIチューニングにより実務でほぼ100%に近い精度を実現し、開発からサポートまで一貫して現場出身者が担う体制が「使いやすい」という評価につながっています。現在、機械・電子機器・日用品などの中堅製造メーカーを中心に10社が導入。2025年には愛媛県のDX推進事業にも採択されました。
上流を押さえ、製造業全体へ
設計思想という製造業で最も重要な上流データを押さえることは、将来的に最大224兆円規模とされる部品・原材料の受発注領域を押さえることにつながります。設計開発の自動化から、データを活用した創造業務の支援へ。さらにその先には、サプライチェーンと連携し、市場ニーズを予測して製品を届ける「オンデマンドサプライ」の実現を構想。2032年のIPOを一つのゴールに、共に挑戦する仲間を募集しています。
コメンテーターより

弁護士法人内田・鮫島法律事務所
弁護士 根岸 秀羽 氏
IKETEL様は、主に製造メーカーの設計開発部門における点在データや暗黙知を自動整理・共有知化するソリューションをご提供されています。近時、企業のナレッジマネジメントツールは多数散見されますが、「設計開発部門」というニッチ領域に特化した点に独自性があるといえます。他方で、この種のサービスにおける競争力の源泉の一つはデータにあるといえますので、今後、データの適切な利活用のために権利関係をいかに整理していくかという点も注目されます。
※「The INDEPENDENTS」2026年8月号 - P.8 掲載
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