■ 研究開発現場に特化したデータ管理

 当社は、素材産業の研究開発データを資産化する基盤を提供するスタートアップです。創業者の斉藤耕太郎氏は、自身の研究者時代に、最先端の研究現場でありながらデータ管理が20年以上前と変わらずExcel中心で運用されている現実に、強い違和感を抱きました。実験データは属人化し、異動や退職で知見が失われる。過去の試行錯誤が活かされず、同じ実験が繰り返される。この非効率を変えなければ、日本の素材産業は競争力を失う。そうした危機感が、創業の原点です。
放置されてきた「データの持ち腐れ」問題が顕在化

■ 「研究開発版Salesforce」という挑戦

 当社のプロダクトは、試料と測定結果を紐づけて管理し、可視化・再利用を可能にするクラウドサービスです。バラバラに存在していたデータを構造化し、日々の研究活動そのものを資産に変えていきます。いわば「研究開発部門のSalesforce」。従来の電子実験ノートやデータ管理ツールでは扱いきれなかった、多様で複雑な実験データに対応できる点が特徴です。
既存のデータ関連製品とRandeftの関心領域の違い

■ 明確な収益モデルと高い単価

 ビジネスモデルはシンプルで、初期費用100万円に加え、1人あたり年間30万円の利用料を設定しています。さらにカスタム開発やコンサルティングも収益源となっています。研究開発というコア業務に入り込むため、導入には時間がかかる一方、一度定着すれば継続利用されやすく、高い顧客単価と粘着性を両立しています。

■ 大手製造業が導入、広がる市場

 すでに電池、半導体材料、ゴム、フィルムなど幅広い分野で導入実績があり、ユーザーは東証プライム上場企業が中心です。研究、開発、分析といった測定機器を使うあらゆる部門が対象となります。国内だけでも研究開発人材約41万人を背景に、数百億円規模の市場が見込まれています。また、製造業全体に展開可能であることから、潜在市場はさらに大きいといえます。

■ データ時代の「土台」を握る存在へ

 AIや自動化が進むほど、質の高いデータの重要性は増していきます。その“前提条件”となるのが、データ基盤を担う存在です。派手なAIの裏側で、最も地味で、しかし最も重要な領域を押さえることで、研究開発の常識そのものを変えていきます。


 
コメンテーターより
弁護士法人内田・鮫島法律事務所 弁護士 後藤 直之 氏
 

 研究開発に関わったことがある人なら、開発過程のデータを共有して活用することが難しいという感覚がよく分かるのではないかと思います。株式会社ランデフトは、この点に着目し、データを活用するシステムを開発しました。性質上、顧客に長期間利用してもらうビジネスが想定されており、ここに強みがあると感じます。

 汎用AIの発達等の競合に対する備えを、技術面・知財面双方から強化することで、ビジネスをより強固にしていけるのではないかと思います。

弁護士法人内田・鮫島法律事務所 弁護士 後藤 直之 氏

 
 
※「The INDEPENDENTS」2026年5月号 - P.13 掲載
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