■ ドローン運用から計測技術へ

 当社は、ドローンとAIを統合した自動計測技術を開発し、建設・土木インフラ分野のDXを推進するドローンテック企業です。2016年創業。現在は愛知県名古屋市に本社機能を置き、橋梁点検や公共測量などインフラ維持管理領域に特化したソリューションを提供しています。

 創業当初は、ドローン操縦者と案件を結びつけるマッチング事業を展開していました。その後、顧客のニーズが「飛行」ではなく「点検に使えるデータ」にあることに着目し、事業の軸を建設・土木分野へ移行しました。現在は、ドローン・LiDAR・AIを組み合わせた建設DXソリューションを展開し、コンクリート構造物の老朽化や建設業界の人手不足といった課題の解決を目指しています。
適切なデータ × AIによるDX

■ コアテクノロジー

 当社社の強みは、ドローン機体ではなく「データ取得の信頼性」を担保するソフトウェア技術にあります。ドローンが対象物に対して自動飛行・撮影を行い、照度や解像度が基準に満たない場合はAIが判定して再撮影を指示します。これにより、熟練技術者に依存せず高精度な3次元計測データを取得できます。飛行制御、品質管理、3次元処理までを一体開発している点が特徴で、点検レポート作成まで含めた業務全体の自動化を実現しています。

■ 競合との差別化

 ドローン関連企業の多くは「機体販売」または「撮影サービス」を主軸としています。一方、FLIGHTSは点検業務の成立要件となる計測精度と再現性に焦点を当てています。単なる空撮ではなく、公共測量や橋梁点検で利用可能な品質を前提とした設計となっている点が競争優位性です。ハード・ソフト・現場知見を統合した開発体制に加え、建設ICT企業CTSとの連携による販売網も参入障壁として機能しています。

■ 市場成長性

 日本では老朽化インフラの増加により点検需要が拡大しており、国土交通省もドローンや3次元データ活用を制度的に推進しています。人手不足の進行もあり、従来の近接目視点検を代替する自動計測の需要は中長期的に拡大が見込まれます。同社は橋梁点検・公共測量から導入を進め、ダム・外壁点検や施工管理分野へ展開する計画です。


 
コメンテーターより
弁護士法人内田・鮫島法律事務所 弁護士 稲垣 紀穂
 

 FLIGHTSは、ドローンによる高品質な画像データの取得等の独自技術を活用し、インフラ測量や土木工事・建設業のDX化に取り組みます。
 知的財産に関しては、既にソフトウェア分野を中心に複数の特許を保有している一方で、秘匿を前提とするノウハウ(データ等)の蓄積もあり、特許とノウハウ双方による保護を高い精度で実現されている点に魅力を感じました。競合も多い分野かとは思いますが、強みを活かし独自の発展を遂げられることを期待します。

弁護士法人内田・鮫島法律事務所 弁護士 稲垣 紀穂 氏

 
 
※「The INDEPENDENTS」2026年3月号 - P.8 掲載
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