アイキャッチ

「宇宙技術「ハイパースペクトル」と独自AIでがん診断をサポート」

公開


【中矢 大輝 氏 略歴】
生年月日:1993年12月4日 出身高校:愛媛県立松山南高校
高校卒業後に渡米しカリフォルニア州SierraCollegeに進学。1年半後に新設の大学機関であるHSUへ。2年次より北里大学と研究を開始し、4年間の研究成果を基に特許を取得。2019年12月当社創業。

【MILK株式会社】
設 立 :2019年12月17日
資本金 :31,935千円
所在地 :東京都港区六本木4-9-2
事業内容:がん診断補助AIアプリの開発提供
従業員数:2名


宇宙技術「ハイパースペクトル」と独自AIでがん診断をサポート


■目に見えない光の波長を捉える「ハイパースペクトル」

ハイパースペクトル技術とは、人工衛星に搭載されリモートセンシングを行うことを前提に開発されたもので、従来のデジタル画像の47倍もの情報量を持つほど高精度に色彩の変化を検知することができます。当社では、ハイパースペクトルカメラの開発者である佐鳥新氏(北海道衛星(株)代表取締役)と共同開発を行っており、本技術応用において業界最高レベルを実現しています。

■病理診断をサポートするクラウド型AI「ANSWER」

 病理診断サポートアプリ「ANSWER」は、ハイパースペクトルカメラ情報をAIに学習させることで通常のがんをグレードで識別できるだけでなく、希少がんや前がん病変を識別できる可能性を秘めた全く新しい診断補助システムです。がん発生と分裂の中心となる細胞核は独特の色合いをもつことが分かってきており、これを識別できる「ANSWER」を用いることで飛躍的な識別精度向上を実現することが可能です。
 また、200以上の細胞を見分けてがんの最終診断を行う病理専門医は国内に約2,000名と人手が足りていません。これに対し、「ANSWER」では特許取得済みである病理診断の自動化プロセスを有しており、クラウドを介して病理医ネットワークにAI診断画像が共有され遠隔診断される仕組みになっています。結果、診断時間もこれまで4日~1ヶ月要していたものから数分で完了することができ、業務負担を大きく軽減できます。

■今後の展開

現在、「ANSWER」は2022年の医療機器承認を見据えた開発を進めています。また、2020年9月システムインテグレータ企業である(株)SIG(東証2部)と業務提携を行い、2021年春に「ANSWER」を研究開発用途で販売開始する予定です。私たちの技術が医療現場に実装されることで「がんの根本原因の解明」に貢献し、将来的には「病を世界からなくす」ことを目指しています。

※2021年2月号掲載時点での情報です