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「「VALUENEXのIPOを俯瞰する」」

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VALUENEX株式会社
代表取締役社長CEO 中村 達生 氏

1991年早稲田大学大学院理工学研究科機械工学分野修了後、三菱総合研究所入社。1994年から1998年まで東京大学工学部助手として勤務。三菱総研に復職後、2005年に工学博士を取得。2006年当社設立、代表取締役CEO就任(現任)。2014年2月米国カリフォルニア州メンロパークに当社の現地法人を設立、CEOに就任(現任)。1年のうち約半分を海外にて活動。現在、早稲田大学理工学術院非常勤講師も務める。

<会社概要>
設 立 :2006年8月1日
資本金 :512百万円
所在地 :東京都文京区小日向4-5-16
事業内容:情報解析による情報サービス業、ツールライセンス販売業
上 場 :2018年10月30日東京証券取引所マザーズ市場上場(4422)


■ビッグデータ解析を通して顧客のビジネス戦略を支援

 当社は、「世界中に氾濫する情報から知を創造していく」ことを理念に掲げ、自社独自の予測分析システムによって世界中の多種多彩な大量の文書情報収集を俯瞰・可視化するアルゴリズムを構築してまいりました。アルゴリズムに基づいた大量な情報の検索・集計・分析だけでなく、それを洞察・判定し戦略情報としてご提供することで、顧客企業の次のアクションを支援、未来の成功へと繋げます。データ解析ツールの提供と共にコンサルティングサービスを提供し、最終的には顧客自身で解析を行えるようにすることが私たちのミッションです。現在の顧客はメーカーや金融の大手企業が中心ですが、今後は中小企業、グローバルへの展開を進めてまいります。

■12年越しのIPO達成

 起業してから3年間は、まるで6、7年経ったかのように感じるほどの長い時間でした。自分と異なる考えや行動をする人と一緒に仕事をすることは私にとって初めての経験であり、毎日様々な問題が起こりました。そのような中でプレゼン資料を見て当社の技術力に着目し、投資を決めてくれたのがウエルインベストメント社です。出資を受けて2009年に一度米国に進出するも、当初はうまくいかずに撤退を余儀なくされました。2013年に再度シリコンバレー上陸に挑戦し、徹底的に製品のUI/UX改善に取り組みました。その結果、2016年頃からは順調に売上を伸ばすことに成功し、2018年10月末にマザーズ市場へ上場する運びとなりました。

■M&A投資モデルの分析

 数年先の未来だけではなく、30年、40年先までのビジネスの見通しを立てるためには、既存事業をきちんと進めつつ横展開や事業転換に取り組まなくてはなりません。私たちは過去10年間の製薬業界のM&Aの事例を集めて、技術情報に基づいて事業シナジーと技術シナジーの層における相関係数を数値化し、案件の適性を分析することに成功しました。情報を正確にブランティングして、物語を作っていくことで、投資行動をモデル化することが可能になるのです。投融資の判断に使えるデータを的確に算出し、誰が行っても客観的に同じ評価が得られるようになれば、投資融資がしやすくなり経済循環が活性化されると期待されます。

■今後の展開

 私が設立当初からVALUENEX社で実現したいと考えていることは、未だ3割も達成できていません。私たちは大きな母体となって起業家マインドを持つ人材と一緒に成長しつつ、同じ市場で独立する彼らと知見を共有したいと考えています。
 そして従来は産業の中で閉じてしまっていた技術、判例、商品リリースなどのあらゆる情報を俯瞰し、ニーズと研究を繋いで分析することで、本質的かつ新しいビジネスを生み出すことが今後の日本社会において不可欠であり、私たちの使命であると考えています。


<会社概要>

設 立 :2006年8月1日
資本金 :512百万円
所在地 :東京都文京区小日向4-5-16
事業内容:情報解析による情報サービス業、ツールライセンス販売業
上 場 :2018年10月30日東京証券取引所マザーズ市場上場(4422)


2018年1月21日インデペンデンツクラブ月例会 東京21cクラブにて