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「ボールウェーブ(株)、仙台スマートマシーンズ(株)、(株)Piezo Studio」

公開


早稲田大学
商学博士 松田 修一 氏

1943年山口県大島郡大島町(現周防大島町)生まれ。
1972年早稲田大学大学院商学研究科博士課程修了。
1973年監査法人サンワ事務所(現監査法人トーマツ)入所、パートナー。
1986年より早稲田大学に着任し、ビジネススクール教授などを歴任。日本ベンチャー学会会長、早大アントレプレヌール研究会代表世話人も務める。2012年3月教授を退官。ウエルインベストメント㈱取締役会長
特定非営利活動法人インデペンデンツクラブ代表理事

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 2012年補正予算1000億円で4大学に配分された原資をもとに設立された東北大学ベンチャーパートナーズ㈱(THVP)の出資事業(96億円)の出資先3社の発表です。東北大学の出資の特徴は、1社4~6億円出資、20社を目途に、単独ベンチャー、共同研究先とのジョイントベンチャー、大学研究成果を事業化する既存ベンチャーを対象にしています。ベンチャーは大学知財の譲渡を受けて、開発した研究者がCTO(取締役)として加わり設立をします。現在材料系30%、エレキデバイス30%、医療機器26%等のパイプラインがあるのが、東北大の研究成果の特性です。
 3社は、IPOを目標に置いているスタートアップ期のベンチャーですが、事業を成長軌道に乗せ、THVAの手離れをするための注意点を整理します。


No.824 ボールウェーブ株式会社(代表取締役 赤尾 慎吾 氏)

 山中一司教授らが発見した1~3ミリの単結晶ボールSAWセンサーの特性を活かした微量水分計の開発・製造・販売を事業内容としています。すでに10年間の開発実績のもとに、文科省START事業も活用し、改良型装置の出荷までこぎつけています。ハイエンド装置から市場参入する大学発ベンチャーの常道を歩んでいます。具体的な顧客チャネルも明確ですが、販売後のアフターケアを確実にし、装置の信頼性をより高めるために、販売チャネルごとの顧客優先順位を明確にしていく必要があります。


No.825 仙台スマートマシーンズ株式会社(代表取締役 髙間舘 千春 氏)

 桑野博喜教授のMEMSを活用した振動発電自立電源センサー及びモジュール・システムの開発・製造・販売を事業内容とし、自動車や鉄道などの過酷振動系に適用しようと考えています。しかし、量産技術によるローコストによる市場拡大を考えると、振動子の小型化によりゲームのリモコンに活用等、ぜひ次世代アントレプレナー育成事業(EDGE-NEXT)のワークショップのテーマに出し、若い人の柔らか頭で、適応分野や事業機会可能性を探ると、収益モデルの展望が開けます。


No.826 株式会社Piezo Studio(代表取締役 井上 憲司 氏)

 未来科学技術共同研究センター(NICHe)吉川彰教授等の研究成果である新規圧電単結晶を用いた小型・低周波振動子による低消費電力の電子部品及びその材料の開発・製造販売などの事業内容としています。振動子事業の拡大のために、資金調達によって品質保証や生産体制の最適化と同時に、顧客獲得のために営業体制を強化しようと考えています。材料ベンチャーとして事業が軌道に乗るために長期を要しますので、技術の個別説明は付表にして事業展開プロセスをより具体的にプレゼン資料を作成する必要があります。


2017年12月4日インデペンデンツクラブ月例会 東京21cクラブにて