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「二酸化炭素燃料化リサイクルシステム」

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【廣田 武次氏 略歴】
1953年7月18日生まれ。下関商業高校出身。高校卒業後、三和銀行に勤務13年勤務。建設会社勤務、リサイクル会社経営を経て、2012年に(株)E-マテリアル、(株)Eプラス設立。福岡大学大学院(現在)。

【株式会社Eプラス】
設 立 :2012年5月16日
資本金 :88,981千円(株主:経営陣、事業会社ほか)
所在地 :大阪府高石市西取石7-13-30
事業内容:環境対策技術研究開発
従業員数:2名


No.794 株式会社Eプラス


「二酸化炭素燃料化リサイクルシステム」



■二酸化炭素燃料化再生技術(CCFR)を開発

二酸化炭素(CO2)削減は、社会的なテーマであるにも関わらずコスト負担により削減はなかなか進んでいません。従来のCO2削減には、工場や発電所などから発生するCO2を大気放散する前に回収し、地中貯留に適した地層まで運び長期間にわたり貯留する技術(CCS=Carbon dioxide Capture and Storage)が採用されました。しかし、CCSでは埋設後の環境への影響は予測できず懸念が残ります。そこで当社は、CO2を埋設せず燃料化する再生技術(CCFR =Carbon Dioxide Capture Fuel Recycle)を開発しました。

■二酸化炭素をリサイクル

CCFRは、排気ガス中のCO2をアミン化合物である吸収液を使って吸収した後、自社開発した独自の分解技術で高効率に電気分解する技術です。分解時に発生する水素はエネルギーとして利用し、液体の中で分解したCO2は炭酸ガスや土壌改良材に再生します。水素などの副産物を販売することで、CO2削減コストをリサイクル収入が上回り、コスト負担を軽減することができます。

■バイオマスボイラーでの実証実験開始

2015年より京都大学と共同研究を開始し、昨年実証装置が完成しました。現在、静岡県の春日製紙工業(株)のバイオマスボイラーから出る排気ガスを用いて実証実験をしています。これまでに約30社が見学にきており、その中から太平洋セメント(株)と共同研究契約を締結しました。CO2燃料再生化、水素製造法など4件の特許も申請中です。

■今後の展開

CO2吸収措置の改良や電気分解装置の大型化を進めることで、早急に商業化レベルにまで持っていきたいと考えています。吸収装置の改良資金として3,500万円の資金調達を年内に検討しています。また、燃料電池車の増加に伴い、今後大量の水素が必要になってくると思われることから、水素の効率的な製造方法も開発していきます。