「「第一勧業信用組合の新たな取組み 創業支援・地方創生」」
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1.創業支援の取組み
今の日本の閉塞感を考えたときに、これから起業する人への資金循環が非常に悪いことが問題だと思っています。そこで我々は「若者・女性を応援する」をスローガンに高齢者の資金を若者へ還流する新たな創業支援の仕組みを作り上げました。創業間もない会社は、エクイティに頼る傾向がありバランスシートを見ると資産をカバーしているのが全て資本(出資金)というケースが珍しくありませんが、創業赤字を回避するだけの最低限のエクイティを確保して、通常の運転資金は借入による負債で確保するほうが合理的です。我々は、創業支援の取組みとして、「かんしん未来ファンド」でエクイティを供給した会社に原則無担保の「かんしん未来ローン」を組み合わせたデッドとエクイティの最適支援を推進しています。その他、東京都の「女性、若者、シニア創業サポート制度」向けのローンも取り扱っています。
推進施策としては、「つなげる力、育てる力(育てる金融)」を掲げ、日本ではじめての金融機関発のアクセラレータープログラム「東京アクセラレーター」の主催や、起業の向けた機運を広げていく目的で「地域クラウド交流会」を開催しています。また、日本政策金融公庫や東京理科大学との連携協定も結んでいます。
2.地方創生の取組み
さきほど、世代間の資金循環ということでお年寄りのお金を若者にという話をしましたが、地域間の資金循環も必要です。現在、信用組合は全国で150強あります。そのうち19の信用組合と連携協定を結んでおります。実施状況といたしましては、当組合の本店2階を連携先信用組合の“東京支店”として開放し地方PRの場所として使っていただいています。また、物産展等を開催し地方に資金還流したり、観光面での交流を通じてヒト・カネ・モノを地域を超えて動かしています。また、昨年10月に、新潟県糸魚川市と連携協定を締結しました。相互の機能や人材・情報等を有効に活用し、人口減少と地域経済の縮小に歯止めをかけることを目指します。地方の自治体と首都圏の金融機関が直接連携することは、全国でも先進的な事例です。今年の3月には信用組合初の農業ファンドを9つの組合で立ち上げました。いままでの地方創生は、地方社会の中で「タコツボ」的に地域ごとの課題と位置付けられて問題解決をしようとしていましたが、東京と繋がらないと経済は回っていかないと思っています。
3.創業支援の難しさ
なぜみなさんが創業支援をやらないかというと、いままでの定量な信用リスク管理では、与信判断が難しいからです。一般的な金融機関の定量な信用リスク管理は、格付けと担保保証です。しかし創業時は決算書も担保もないので、金融機関に融資の相談にいっても貸してくれません。私は信用組合は「人を見て、事業を見て、与信判断を行う」という定性評価を活用することが真骨頂であり、創業支援には目利き力が必要だと考えています。4.目利き力のポイント
私は当組合の理事長に就任したときから、目利き力こそが当組合が生きる道であると確信し、その態勢の整備にあれこれと邁進してきました。創業の場合は、事業はどんどん変わっていきますので、人を見るしかありません。私は、いままで何千人もの経営者にお会いしましたが、経営者として①決断力と実行力を持っているか、②「なにが欠けているかに気づく力」を持っているか、③人と繋がる力を持っているかを重要視しています。モノの評価でいえば、ブランド力は非常に大切です。質の高いものをどうやって提供していくのかがポイントです。スタートアップといえども、ブランドをイメージした事業展開をすすめてください。5.お金の借り方
いろいろと相談を受けますが、約9割の方が資金繰り・資金計画が全くできておりません。 売上や利益をあげることも大事ですが、資金繰りを押さえているかはもっと重要です。 資金使途は大きく分けて運転資金・設備資金・赤字補填の3つです。流動資産の増減でいえば売上の増減や売掛金・在庫・買掛金の回転期間の変化を、固定資産の増減でいえばどれくらいの設備投資に対して、減価償却、長期借入金の返済、内部留保はどれくらいあるかを経営者にヒアリングすると、どれくらいお金が必要になってくるかが分かるはずですが、正確に答えることのできる方は多くはいらっしゃいません。6.中小企業経営者・起業家の皆さまへ
今は、中小企業・起業家にとって非常にチャンスの時代です。高度成長期から成熟社会へ入っていくなかで、豊かさの時代・人の時代になり、均一性よりも多様性を重視するようになりました。ナンバーワンよりオンリーワンが必要になっています。私は、1000億円のマーケットがあると考えるより、スタートアップのような私どものお客様であれば1億円のマーケットが1000個あるとかんがえています。それを積み上げていくことが重要なのです。
今、付加価値というのは、川上(デジタルやネット=プロダクト)と川下(アナログ、フェイスtoフェイス=カスタマー)にしかないと考えており、我々は徹底的に川下を押さえています。現在、コミュニティーローンとして300くらいの商品を持っていますが、全て固有名詞で運用していて一般化していません。さきほどブランドの話をしましたが、まさに「この人向け」の商品を広げていくことが大切だと考えています。組合員は4万人いますが提携先をあわせると全部で50万人の組合員がいます。川下を押さえたことで、川上の方から我々にアクセスいただくようになりました。川下のカスタマーを押さえていくと事業がスケール化していく可能性があります。そういう意味で非常に面白い時代がきたと思っています。
7.出版のお知らせ
平成29年5月25日にダイヤモンド社より「よみがえる金融 協同組織金融機関の未来」を出版いたしました。ご高覧いただけますと幸いです。―2017年8月7日インデペンデンツクラブ月例会(新丸の内ビル10F 東京21cクラブ)にて