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「-『もったいない!』をカタチに®-」

公開

<話し手>
㈱エムダイヤ 代表取締役 森 弘吉さん(左)
1975年11月1日生まれ。国立富山高等専門学校で機械工学を学び、さらに専攻科に進学。機械・電気システム工学科を経て、1998年に大手工作機械メーカーに就職。2005年エコセパレの原型となった分離・粉砕機を広めるために退職し、新会社を設立。2008年に株式会社エムダイヤに社名変更し、代表取締役社長に就任。

<聞き手>
弁護士法人内田・鮫島法律事務所
弁護士 鮫島 正洋さん(右)
1963年1月8日生。神奈川県立横浜翠嵐高校卒業。
1985年3月東京工業大学金属工学科卒業。
1985年4月藤倉電線(株)(現・フジクラ)入社〜電線材料の開発等に従事。
1991年11月弁理士試験合格。1992年3月日本アイ・ビー・エム(株)〜知的財産マネジメントに従事。
1996年11月司法試験合格。1999年4月弁護士登録(51期)。
2004年7月内田・鮫島法律事務所開設〜現在に至る。

鮫島正洋の知財インタビュー

-『もったいない!』をカタチに®-


■ リサイクル事業を通して地球環境に配慮したサービスを提供

鮫島:貴社の主力商品である粉砕機『エコセパレ®分離・破砕機』(以下、エコセパレ®)の特徴について教えてください。

森:これまで困難だった廃プラスチック+金属複合材や、タイヤのゴムとスチールワイヤ等の異種材混合物を、効率的に、低コストで分離する破砕機です。設備全体の省スペース化にも貢献しています。また、独自の刃物構造により、重量比で95%~99%程度の高い分離率を実現します。

鮫島:創業者のお父様が『エコセパレ®』の原型を開発されたのはいつごろですか。

森:今から16,7年前に父が開発をいたしました。私はその当時工作機械メーカーに勤めていましたが、この機械をもっともっと世の中に出したいという思いがあり、現在に至ります。

■ 自動車関連分野から広がる用途開発

森:機械の開発も大事ですが、我々は一番大事なことは用途開発だと思っています。現在、大きく分けると①自動車関連(廃タイヤ、自動車内装材)、②通信関連(光ケーブル、同軸ケーブル等)、③デジタル家電関連(携帯電話、パソコン等)の3つ事業分野に分かれています。

鮫島:新製品の開発も進んでいますね。

森:昨年、基板の実装部分を剥がしとって金やレアメタルと樹脂部分を分離させる基板剥離機を開発しました。また、『エコセパレ®』のもう一つのラインナップであるエコカッターの電動式使用もあらたに開発しました。従来の油圧式と比べて、省エネ・省スペース・静音を実現しております。

■ 海外展開と知財戦略

鮫島:2015年に国際協力機構(JICA)の「案件化調査」に採択されましたが、どういった事業なのでしょうか。

森:JICAのODA事業を活用して3,000万円の予算範囲でインドネシアへの製品販売を図るものです。分離破砕された廃棄物をリサイクル資源として有効活用できないか、その調査を進めています。

鮫島:東南アジアは大きな経済圏ですが、1か国ずつ特許をとっていると膨大な費用がかかりますし、そもそも司法制度が完備されていませんので権利行使がなかなかできない状況です。一方で、敢えてコピーを容認して認知を広げる手段もあるでしょう。技術的難易度が高く、そのノウハウが当社にしかないのであれば、最後には顧客は戻ってきます。特許フリー天国の東南アジアでも打てる戦略はあります。

森:GPSを搭載したコマツの建設機械のように、『エコセパレ®』のIoT化も検討しています。装置販売からサービスモデルへの転換が急務です。そのためのITパートナー探しや、場合によっては資金調達も必要です。

鮫島:時流に乗った事業であり、資金は絶対に集まると思います。あとは特許ですね。特許ネタはかなりお持ちですので、いかに取捨選択して大事なものをとっていくかがポイントです。海外企業との契約やビジネスモデルに関してもお手伝いができると思います。

森:下町ロケットのような夢のある仕事をしたいと思っています。

鮫島:社会的意義の大きい、応援したくなる会社です。本日はありがとうございました。


―「THE INDEPENDENTS」2017年2月号 P24-25より

株式会社エムダイヤ

住所
富山県滑川市中村551-2
代表者
設立
資本金
従業員数
事業内容
URL
http://www.m-dia.com/