アイキャッチ

「<特別対談>ファーストブランド 河本扶美子」

公開

<聞き手>
株式会社AGSコンサルティング
専務取締役 小原 靖明さん
1985年明治大学大学院法学研究科修了。1989年当社入社。2000年IPO支援会社ベックワンソリューション設立、代表取締役就任。2007年合併に伴い、当社取締役就任。2012年3月常務取締役。2014年3月専務取締役(現任)

<話し手>
株式会社ファーストブランド
代表取締役 河本 扶美子さん
1967年7月25日福岡県生まれ。吉祥寺女子高校出身。獨協大学経済学部卒業後、太陽神戸三井銀行、外資系航空会社を経て株式会社ファーストブランド設立、代表取締役就任。

<株式会社ファーストブランド 概要>
設 立:2002年6月3日
資本金:1億3650万円(株主 経営陣、VCほか)
所在地:大阪府大阪市堂島浜2-2-28 堂島アクシスビル 9F
事業内容:①Webインテグレーション事業、②マイベストプロ事業、③マイベストジョブ事業

<特別対談>これからのIPOスタイル

専門家紹介ポータルサイトのIPO戦略


小原:地域に根差した専門家を紹介するポータルサイト「マイベストプロ」を展開されています。この事業の最終目的は何でしょうか?
河本:地域に根差した個人事業主・中小企業のプラットフォームを作る事です。消費者のさまざまな問題を解決する身近な専門家紹介を通じ、地域貢献・地域活性化を実現したいと思っています。

小原:地域の新聞社・放送局との提携を進めていますが、メディアとの提携目的を教えてください。
河本:メディアと提携することにより、登録している専門家は、新聞社やテレビが有する消費者の信頼感を背景に、地元の方々からの認知度向上や新たな顧客創出を行うことが可能となります。2009年の神戸新聞社との提携をきっかけに、現在は43都道府県の地域媒体と提携しています。
小原:「マイベストプロ」はトップブランドとして高い評価を得ていますが、これからは競合対策も重要です。
河本:おかげさまで登録者数2,400名と全国の専門家が登録する有料専門家サイトでは日本一になりました。確実に顧客を創出出来る仕組みを作る事が競合からの参入障壁に繋がると考えています。そのために顧客訪問や電話コンサルなどを毎月行い徹底したサポート体制を構築しています。

小原:ビジネスモデルは専門家からの登録費用ですが、収益力を高める方策も必要です。
河本:「マイベストプロ」の初期登録費用は54,000円、月額費用10,800円です。マッチング報酬はいただきません。登録者数はまだまだ伸ばしていけますが、秘書代行などのオプションサービスメニューを充実させ収益力を高めていきます。

小原:専門家によるニュース解説メディア「JIJICO」も成長加速と収益多様化に期待できますね。
河本:「マイベストプロ」専門家がその知見を活かして説明するニュースサイトです。他社のニュースサイトやアプリにも記事を配信して、登録専門家の知名度向上や顧客獲得に繋げていきます。現在200万の月間PVも急増しており、ネイティブ広告による収入増も見込んでいます。

小原:事業展開におけるボトルネックは人材につきると思います。人材採用や教育システムを教えてください。
河本:採用は70人に一人とハードルは高くなっています。特に重視するのは私どもの企業理念を共鳴できる人材かどうかです。採用後も企業理念を深める事を目的とした研修制度を繰り返し行っています。10年でようやく少しは浸透したと感じています。

小原:上場を目指すのは、資金調達面より人材獲得面が目的でしょうか?
河本:私どもは、日本のサービスの輸出を目指しています。「マイベストプロ」英語版や海外プレスリリースなど、海外展開を達成するためには必ず上場する事が前提と考えています。
小原:私たちAGSグループは「経営管理機能を充実させるためのサービスを、より広い視野でたえず提案し続けていく」ことを創業からの理念にしています。こらからもこの理念を守り続けていく事が大切だと考えています。企業理念を非常に大切にしている貴社の益々のご発展を期待しております。

<対談を終えて>
小原:対談の記事にはなっておりませんが、河本社長は起業して以来、リーマンショックも経験し、経営の苦労もされてきたようです。その中から生み出したこの事業は、「メディアの有する信頼感」と「専門家の営業支援」を見事に融合させています。今後、事業の推進・発展には、ファーストブランド自体のブランド力向上を図ることが必要だと思われます。そのためには、事業計画をしっかりと策定し、資金調達を行いながら、「人材」教育をし、早期の上場を果たすことが肝要だと思われます。

河本:今回、小原さまと対談させて頂く中で、自分達の事業の強みはどういったものなのか?競合対策をどうしていったら良いのか?収益力を高めていくにはどうしたら良いのか?等お話しさせていただくことによって、事業拡大に必要な点を改めて考えることが出来、頭を整理することが出来ました。このような的確な質問をしていただきました小原さまに感謝すると共に、このような対談の機会を下さったインディペンデンツ國本さまにも感謝しています。有難うございました。