無消費植物素材からサーキュラーエコノミー&ゼロエミッション社会を実現する

S-Bridges株式会社 CTO 佐野 吉彦 氏

■ 無消費素材

 従来、茶葉やトマトの葉茎、コーヒー殻、ビール粕など、その一部しか利用されていなかった「無消費」素材に含まれるタンパク質、ミネラル、食物繊維などを独自の「Cell Breaker®」技術で全抽出することで、食品、飲料、繊維、農業、エネルギーなど様々な分野で活用可能な高付加価値素材を創出する静岡大学発ベンチャーです。

■ Cell Breaker®技術

 植物細胞壁を破壊し、細胞内に含まれる成分を効率的に抽出することを可能にする技術です。AIを活用したシステムにより、抽出プロセスを最適化し、高品質な素材を安定的に供給します。この技術により、従来は廃棄されていた「無消費」素材から新たな価値を生み出すことが可能になります。

■ 設立経緯

 代表の長門が茶葉の無消費有効成分に着目し、葉肉と葉脈の完全分離方法を発見、設立後、静岡大学工学部佐野准教授がジョインしました。さらに、静岡の地元企業とのオープンイノベーションが進み、出資も受けました。

■ 事業展開

 2029年までに国内市場の1%の「無消費」素材の再利用システム導入を目指し、将来的には海外市場への進出も視野に入れています。世界中の「無消費」素材を活用することで、サーキュラーエコノミー&ゼロエミッション事業のフランチャイズ化構築を目指し、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

 

緑茶+それ以外の商材にし、全てを使い切る緑茶+それ以外の商材にし、全てを使い切る

無償日素材を最適な形で全抽出する「Cell Breaker」無償日素材を最適な形で全抽出する「Cell Breaker®」

無消費×テクノロジー 循環型社会の市場規模無消費×テクノロジー 循環型社会の市場規模

 
 

コメンテーターより・・・

弁護士法人内田・鮫島法律事務所 弁護士 根岸 秀羽  

 S-Bridges様は、植物素材の成分抽出技術を開発しており、その対象となる植物や抽出後の用途は多種多様で汎用性が高いとのことですので、基幹技術の権利化によって様々な市場への参入が期待されます。また、併せて各市場の課題、需要や市場規模等を分析・選別し、特に有望と思われる市場にフォーカスした特許権等を取得することにより、当該市場において高い優位性を保てる特許ポートフォリオを構築することも考えられます。

 弁護士法人内田・鮫島法律事務所 弁護士 根岸 秀羽 氏

 
※「The INDEPENDENTS」2025年1月号 - P.10 掲載